Broodstar!!

輝くブルードスター〜タイトルの文字列を閃いて、「これだ!」となったものの、符合を見い出せなかったでござる、の巻〜

土地 18

適当

クリーチャー 4

マイアの戦闘球 1
鋼の風のスフィンクス 1
ブルードスター 1
引き裂かれし永劫、エムラクール 1

スペル 38

睡蓮の花 1
血清の幻視 4
白鳥の歌 2
彩色の星 4
ディミーアの魔除け 4
五元のプリズム 4
洞察力 4
知識への渇望 3
財宝発掘 2
謎めいた命令 4
すき込み 1
時間ふるい 4
輝く根本原理 1


調整するまでもなくブルードスターが不要なのはわかりますが、
実際に使ってみると、時間ふるいが着地したころには手遅れ(相手に1回はターンを渡し、しかもそこでデッキトップめくりで負けると相手に追加ターンを与えることになる、
洞察力やディミチャで調整してから置きたいがそれでも1回は耐えないと厳しい)、
相手への干渉がほぼできない、
追加ターンを得てもなかなか勝てずそのうち相手にターンが渡る、
などかなり厳しい欠点が目立ちます。


瞬間の味わい(追加ターン、そのターンのアンタップを飛ばす)を入れ、時間ふるいを置いたターンに打てば、
アンタップ飛ばすデメリットも無視でき(デッキトップめくりで勝てば)、
また自分のターンのデッキトップめくりで負けた時もデッキトップめくりをやりなおせるので、自分のターンを続けやすくなるかもと思ったので、今度試してみたいと思います。
調整すれば勝ち目ある、自信あります(勝てるとは言ってない)

スゥルタイ青信心コントロール

無理がある〜〜〜


土地 25
適当


生物 23
惑乱のセイレーン 4
前兆語り 2
氷羽のエイヴン 4
キオーラの追随者 4
霜の壁 2
海の神、タッサ 3
波使い 2
スゥルタイの占い屋 1
予知するスフィンクス 1


スペル 12
否認 2
凱旋の間 1
骨読み 1
英雄の破滅 3
タッサの二叉槍 1
スゥルタイの魔除け 1
残忍な切断 1
精神的な介入 1
悪逆な富 1


なんで精神的な介入とか入ってるんだ…?

続き、桃華ちゃま親愛MAXバースデーコメ(2013年の)参照

「8時20分、か」
 彼は腕時計を確認し、そう言いました。わたくしも念のため自分の時計を確認しましたが、
確かにその通りでした。ただ、
「……Pちゃま、レディーと一緒にいる時にあまり時間を気にするものではありませんわ」
と、少しばかり心得を授けてさしあげないといけないとは思いましたわ。
「あ、そうだね。ごめん。ちょっと迷ってたから」
「一度来た道をまた通ったりとかはしてませんでしたわよ?」
「そうなんだ」
 今日は迷ってる様子だったのは最初だけで、あとは自信ありげに案内するものだから、
てっきり道はわかってるのだと思いましたが、開き直ってただけだったようです。
「誰かと待ち合わせしているわけではないでしょう?それに時間だってたくさんありますわよ?」
「……そうだね」
「道案内はお任せしますから、しっかりね?」
 Pちゃまはいわゆる方向音痴です。それでも、わたくしのために何ができるかとか、
わたくしにどれだけ尽くせるかとか、わたくしの力になれるかとか。
 そんなことばかりをいつも気にかけている彼に、『もういい』だなんて言うのは気が引けます。
誕生日なのにわたくしが気を遣うことになるなんて。……などとは、もちろん思いませんわ。
わたくしが彼を求める時に、あなたは一番嬉しそうな目をしてくれるから。
「ありがとう、くーちゃん」
「くーちゃんって誰ですの」
わたくしは櫻井桃華。……さくらいももか。……さ『く』らいももか。なるほど。
……どうしてよりによって、そこをあだ名にしますの。
「くーちゃんがアイドルの桃華ちゃんだってことが周りに気付かれるとまずいからね。
くーちゃんも気をつけてね。くーちゃん」
「気に入ったようで何よりですわ」


「16時……くーちゃん、そろそろ帰ろう?」
「あら、もう帰りますの?」
 わたくしは、彼にエスコートされて、タクシーに乗り(わたくしの家には車の運転手がいますけど、
わたくしと面識がある人に送迎されるのは気が乗らないそうです)、モノレールに乗り、それから県庁の食堂でお昼ごはんを食べ、それから遊園地に行き、今は二人で観覧車に乗ったところです。
「遅くなっちゃうといけないからね。……くーちゃんさえよければ、ボクはくーちゃんの家で夕ごはんをご一緒させてもらって、
あとお風呂も借りて、一晩泊まってから朝ごはんもご一緒させてもらって東京に戻るけど」
「まあ♪ぜひそうしていって!」
 彼の中では随分もてなしてもらう予定だったようですが、わたくしもそうできればと思っていたので、
そこを突っつくようなことはしませんでした。
「……お昼ごはんはごめんね」
「あら、謝ることはありませんわ」
 県庁の食堂という、レディーとのデートにはふさわしくない場所ではありましたが、彼の食事処やドレスコード
他様々な紳士としての心得に対する疎さは責めないでおきましょう。
 彼はわたくしと外でデートする機会は滅多にありませんでしたし、今日だってそんな予定はなかったはずです。
それに……わたくしがアイドルで、子供だから、あまり『デート』といった感じの場所は避けたかったというのもあるでしょうし。
 料理の味は……あまり美味しくはなかったですけど、覚えていません。
彼は普段は温和ですが、わたくしが食べ物を残そうとすると、露骨に不機嫌になり、まるでわたくしを憎んでるかのように、
鋭い目で睨んできます。……でも、わたくしの見立てが間違っていなければその瞳の奥底にあるのは――不安。
 ……それが怖くて、とにかく無理にでも食べようとしました。だから、覚えていません。
 ――彼に何があったのでしょうか。彼は何を見たのでしょうか。……訊いても、そんな風に睨んだことを謝るばかりで、
本人もどうしてそうなってしまうのかわからないと言います。
 ……彼については、わたくしでもわからないことだらけですわ。
「桃華ちゃま?」
「!」
 いけない、デート中なのに考え事をしていましたわ。
「……何か悩みでもあるの?」
 それはわたくしの台詞ですわ。
「いえ……ねえ、Pちゃまはたくさん食べる女の子って好き?」
 何を訊いてますのわたくしは。
「好きだよ」
 ……わたくしは人並み以上には食べますけれど、それも味によりますわね。
「恥ずかしがり屋な女の子は?」
 彼のことを知りたい。
「好きだね」
 彼はわたくしの前でもわたくしとはかけ離れたタイプの子を好きと言いますのね。
「動物が好きな女の子は?」
「好きかな」
 ここで嫌いとは答えませんわよね。
「お絵描きが得意な女の子は?」
「大好きさ」
 ……思い浮かべてたのは、わたくしと同じ日に生まれたあの方。でも、答えを訊いて思い浮かんだのは……
「……それじゃあ、ゆめ……を、見ている女の子は?」
「夢を見ている女の子?……好きだな」
 ……訊けない。……もちろん彼は、自分がプロデュースしている女の子なら、誰に誰を好きかと聞かれても好きと答えるから、
答えに意味はない。……でも。彼の目を見れば。その子がどのくらい、彼の心を奪っているのかはわかってしまうから。
「……わたくしは?」
 ガタンッ。
 彼が立ち上がり、観覧車が大きく揺れた。
「……桃華!」
 そして彼は、驚いたような目をした彼は、
「好きだ、愛してる!」
 と、その目と唇で吠え、わたくしに正面から覆いかぶさり、抱きつくようにして、
「……大好きだ、ずっと一緒にいたい、離れたくない!……好きだ、好きだ、好きだ……」
 と、囁いた。
「……わたくしも」
 何も心配はいらない。彼はこれからもわたくしだけのモノでいてくれる。だからわたくしは、あなたにああ言ったんですよ?

「桃華ちゃま」
「……はい」
 き、キスとかはしてませんでしたわ!本当ですわ!……えっと、観覧車はまだ一番上までは着いてません。
「『夢』って聞いてから考えていたんだ、昨日どんな夢を見たか。思い出した」
「……忘れた夢って思い出せるんですのね」
 でも、怖い夢だったんじゃ……
「ボクにとっては桃華ちゃまが出る夢を忘れる方が怖いよ。予知夢かもしれないし」
「わたくしが出る夢……でしたのね」
「怖い夢だったのは覚えてたけど、どんな夢かは忘れてた。でも、怖いことは桃華ちゃまと離れることくらいだろうし、
そういう夢だって思ってた。でも違った。……考えてみれば、桃華ちゃまと離れる夢なんて見たら、ボクはきっと泣いていたから。
泣いてなかったってことはそうじゃないんだ」
 そう言いながら少し涙ぐんでいますけど。
「……泣かないでくださいまし」
 ハンカチを差し出すと、彼は断って自分のハンカチで涙を拭いた。……別に汚れるだなんて思いませんのに。
彼はそういった距離感の取り方がギクシャクしているところがありますわ。
「……うん。ありがとう。……ボクが見た夢は、世界から『愛』がなくなる夢だ」
「愛がなくなる夢?」
「正確には、ボクと桃華ちゃまとの間に愛がない世界の夢だけど、そんな世界はきっと、
誰もが誰も愛さないし誰にも愛されない世界だろうからね」
 愛がない世界。……どういう世界なのか、想像もしたくない。
「具体的には、表向きには今までと変わらないで話したりデートしたりしてるんだけど、そこに愛がないって感じかな」
「……それは……怖いですわね」
 見つめ合いながらも互いを愛さない恋人達。手を繋ぎながらも互いを愛さない夫婦。
それは想像すると、とても恐ろしいもののように思えた。
「でも今思うと、そんな世界でも桃華ちゃまとずっと一緒にいられるならいいかな」
「わたくしに愛されなくても?」
わたくしを愛せなくても?
「……そうだね」
「わたくしはそんなのイヤですわ!」
 レディーらしくもなく声を張り上げてしまいました。だってそんなの虚しいじゃありませんの。
「……でもね、桃華ちゃま。愛がない世界でボクときみが添い遂げられたら」
「添い遂げられたら?」
「ボクと桃華は、愛よりも素敵なもので結ばれてることになるんじゃないかな?」
「愛よりも素敵なもの……」
 そんなものありますの?
「……でも、あなたがそう思うのは……わたくしたちが愛し合ってるからですわ」
「ぼくもそう思うよ」
 どうして彼はそんな夢を見たのでしょう。わたくしも同じ夢を見たのでしょうか。
 そんなことを、怖い夢を思い出したのになぜか笑顔でいる彼と見つめ合いながら考えていると、
観覧車が頂上に着きました。外はだいぶ暗くなっています。ちらっと時計を見ると、
「12時」
あれ?


2013年バースデーSS完

前回の続き、桃華ちゃまLVMAXバースデーコメ(2013年の)参照

※時代設定とか色々荒唐無稽なので注意ですよ




桃華の誕生日を真っ先に祝おうとして、彼女のプロデューサーであるボクは、東京から電車で神戸へ向かい、
夜中こっそりと、彼女の家におじゃました。神戸駅から桃華の家まではタクシーだ。
 使用人さんとは面識があり、桃華からは『住んでもいい』と言われてるので、それなら部屋を借りるのも大丈夫だろうと思い、
使用人さんに頼んで、桃華の隣の部屋を貸してもらった。
 もちろん、桃華が寝ているので起こさないように慎重にその部屋に入った。
 それと同時に眠気が襲ってきたので、携帯で時刻を確認したら、まだ午後の10時をわずかに過ぎた程度だったので、
これくらいなら桃華より先に起きれるだろうと予測して、遠慮無くベッドに入った。
 それからのことは前回を参照して欲しいが、要約すると、『怖い夢を見て桃華とボクが同時に起きて廊下で鉢合わせしたからとりあえず誕生日を祝って
正式にはまた寝て起きてから祝ってプレゼントを渡した』ということがあった。
 
 それから、彼女の誕生日ということで、今日一日の桃華のエスコートを頼まれた。
 学校は灌仏会という釈迦の誕生日を祝う行事で休みらしい。彼女の通っている小学校はキリスト教系のはずだが、
多様性を重んじる校風のためか主要な宗教行事の日は祝日扱いにしているそうだ。
 ボクも当然前後数日の休暇をとらせて貰ってるため、問題はない。
 普段から彼女のエスコートを頼まれることは多いが、そのたびに懸念の言葉をついこぼしてしまう。今回も同じだ。
女の子を振り回すのは好きだがエスコートとなるとどうしていいかわからなくなる。
「ウフ。任せますわ」
 それでも桃華ちゃまはボクに期待してくれている。その期待に少しでも応えられるように、ボクができることを考えよう。
「それじゃあまず、服を脱いでくれる?」
「……Pちゃま……はぁ」
 普段の彼女からは想像できないような冷たい目線。心底呆れ返ったようなため息。……とってもゾクゾクする。
「いや、その可愛らしい格好だと桃華ちゃまだってわかっちゃうでしょ?アイドルの櫻井桃華がボクと一緒にいたら……
恋人同士だって『誤解』されてしまうだろうしね」
 誤解じゃないが。
「……そ、そういう意味でしたの……ごめんなさい。……でも、プロデューサーとなら、お仕事の打ち合わせとか……
いくらでも一緒に出掛ける理由はありますわよね?」
「それはそうだけど後で弁解する必要があるかもしれないし……さっさと脱いで」
「えっ、ちょっと!?わたくし、Pちゃまとお出掛けできると思って……一生懸命コーディネートしましたのよ!?」
「うん。知ってる……だからこそ、それを台無しにしたいんだ」
 ボクはそう人の心の機微に敏感ではないが、さすがに人一倍ファッションに気を遣う彼女が、
恋人とのデートにはなお熱心に服装を選ぶことくらいはわかる。
「……Pちゃまのおっしゃることはよくわかりませんわ」
「わかりやすく言うと桃華ちゃまを傷つけるのを楽しみたいんだ」
「Pちゃまには人の心がありませんわ」
 そこまで言われるのは心外だ。
「まあ脱がなくても髪飾りを外すだけでいいんじゃないかな?正直言って桃華ちゃま髪飾り外すと誰かわからなくなるし」
 髪飾り。櫻井桃華のトレードマークの一つ。今の彼女がつけているのは、黒地に白のラインが入っていて、白のフリルがついたヘッドドレス。
その両端には薔薇の形のピンクの飾りがついていて、赤のリボンが垂れている。
「……」
 桃華は悔しそうにしている。それはそうだろう。『髪飾りを外すと誰かわからなくなる』と、何人、何十人から言われて、
それに対してどうすれば髪飾りを外しても自分だとわかってもらえるか、その答を見出だせてはいないのだ。
 ……でもそれは、プロデューサーであるボクも考える必要がある問題でもあるんだよなぁ。
「……意地悪はこれくらいにして。眼鏡と帽子用意してきたから、これをつければ大丈夫だと思うな」
「もう……意地悪で済ませないで……」
 そう言って、彼女は髪飾りをボクに預け、度が入ってない赤フレームの眼鏡と、黄色の通学帽を身につけた。
「……ちょっとこの帽子は……服には合いませんわね」
「桃華ちゃま、桃華ちゃまが低学年の時、通学帽ってあった?」
「……?ありましたけど?今も学校に行くとき通学帽は被ってますわ」
「ふーん。どんなデザイン?」
「……まさか、この帽子は低学年の子が被る通学帽だなんて言いませんわよね?」
「そもそもボクが小学生のころ住んでた地域では低学年の子しか通学帽は被ってなかったなぁ」
「……う、うう……」
 ちょっと涙ぐんでいる。かわいい。
「気にしないで。女の子に小さな子供みたいな格好をさせて辱めたいだけだから。桃華ちゃまを子供扱いしてるわけじゃないよ」
「……プロデューサーにそんな趣味があるのは気になりますけど……」
「まあこっちの帽子でもいいんだけどね」
 もう一つ用意していた帽子をスーツケースから取り出す。黒地に金箔押しで羽根の模様が描かれているツバが広い帽子だ。
「……それにしますわ」
 黄色の帽子をボクに返し、もう一つの帽子を被る桃華。
「ちょっと緩いかな?……大丈夫?」
「……ええ、大丈夫ですわ。前が少し見づらいですけど……Pちゃまがエスコートしてくださいますからね!」
 桃華は目隠しされるのが好きだからこのくらいは外でも(少なくとも心理的には)どうってことないだろう。
「……うん。ただよくわからないけど……この帽子もちょっと似合わないかなぁ」
「ウフ。でもPちゃまが真剣に選んでくれたのでしょう?ありがとう」
「真剣に選ぶのは当然だよ。桃華ちゃまが身につけるものだからね」
 ……そんな当然のことに対しても、感謝の気持ちを惜しまないのが我々の桃華だ。
「ねえ桃華ちゃま。誕生日なのに悪いんだけど、ちょっとボクが行きたいところに付き合ってくれないかな?」
「いいですわよ。Pちゃまと一緒なら、Pちゃまの望む場所なら」
「ありがとう。……戸締り……は使用人さんがいるから別にいいのか。……用意はできた?」
「ええ。Pちゃまの方こそ、大丈夫?」
「うん。財布とハンカチとティッシュとペットボトルのコーラ1本とスポーツドリンク3本……
あと地図と携帯電話とパソコンとトランプもね」
「……ペットボトル多すぎません?……まあいいですわ。行きますわよ!」
「うん。じゃあ行こうか!」
ボクが左手を差し出すと、桃華はその手首あたりに右手を添えた。
「ところで……行きたいところって?」
「駅だよ」
「駅?」
 
 西暦2411年に開通した第二新神戸モノレール。レールにぶら下がるようにして車両が走る、懸垂式モノレールだ。
懸垂式モノレールにも種類があり、第二新神戸モノレールはサフェージュ式らしいが、詳しいことはわからない。
 ただ、とにかくボクは懸垂式モノレールというものが好きだ。昔ボクが所属していた組織の創始者は、
妙な友人に薦められた懸垂式モノレールが出てくるアニメに発想を刺激されることが何度かあり、
それで懸垂式モノレール自体にも何度も乗るようになったらしい。ボクもその話を聞いて、そのアニメを見て、
同じように懸垂式モノレールに憧れ、機会があれば乗るようにしているというわけだ。
「……なるほど……そういうことが……」
「去年も桃華ちゃまの家におじゃました時乗ったんだけどね。今年は桃華ちゃんと一緒に乗りたいと思って」
「ふふっ。いいですわよ」
「ありがとう。……でも退屈かもしれないよ?」
「あら。Pちゃまが退屈させないでくれるのでしょう?」
「そうできるといいんだけどね」
 そんな話をしながら、ボク達はむやみに長い桃華の家の通路を抜けて、むやみに広い庭を使用人さんに案内してもらい、
むやみに大きい門から、やみくもに外へと歩き出した。
 一応目的地はタクシー乗り場だ。……地図があるからそこまでひどく迷いはしないだろう。
「……ここを左かなぁ」
「Pちゃま、大丈夫……?」
「大丈夫じゃなくてもついてきてね」
「……はい」
 彼女から授かった役目。その役目からボクを外すことは誰にも……桃華にもさせはしない。
彼女が誰かを死に追いやることがあってはいけないから。
 ……というのは建前であって、本当はボクが死にたくないから。消えたくないから。
 でも。
 何処にもいない、誰でもない、何でもない、どうしようもないボクに。
 そう思わせたのは桃華だから。……って、責任転嫁をするのはよくないか。
 とりあえず、ボクの腕に小さな手を添えている彼女がボクを信頼してくれてるうちは。
 思う存分ミスディレクションしてやろう。

続く